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2009年4月22日 (水)

『見知らぬわが町』

半年ほど前から、『写真万葉録・筑豊』の3・5・6~10巻をamazon経由で取り寄せようとしていたのだけれど、つい先日、版元品切れという返事が。マーケットプレイスに出品されているものはどれも高値がつけられているし、神保町でも見つからなかったし……と半ば諦めかけていたのですが。

ふと思い立って、版元に直接電話をかけてみたのです。ひょっとしたら返品分が1冊くらい残ってるかもしれない、と思って。福岡まで昼間の長距離電話、昔ならすごい通話料だなあ、などと考えつつ。

すると。「すべて在庫ございます」との返事が! ダメもとで電話して良かった~! てか、今朝、テレビで「軍艦島が明日から35年ぶりに上陸解禁」のニュース流しててくれて良かった~! アレを見たから、なんとなく「諦めずに電話しよう」って気になったワケだし。いや、同じ炭坑つながりってことで。

さらに、もういっぺんダメもとで、『見知らぬわが町 1995真夏の廃坑』(中川雅子著)の在庫の有無を尋ねたところ、「1冊だけ残ってます」との返事。

うわあああああ! 訊いて良かったよ! ホントに直接電話して良かったよ!

ちなみに、この『見知らぬわが町』は96年に発行された本で、著者はなんと高校生(当時)。とある夏の夕暮れ時に、たまたま通りかかった炭坑の竪坑櫓跡を見て、「あの不思議な建物は何だろう?」と疑問を抱き、一夏かけてそれを調べていく、という話。文章は夏休みの英文レポートのために書かれたもので、最初はコピー誌の体裁で10部ほど作られただけだったという。

ちなみに、帯には「夏休みに発見したわが町《大牟田》は、あちこちに強制労働にかり出された人々の無数の死体が埋まっている町だった」とある。

私はこれを古本で手に入れて読んだのだけれど、いやもう、面白いのなんの! 彼女が竪坑櫓とに惹かれていく様子とか、櫓の跡や囚人墓地を探して自転車を走らせる様子とかが、目の前の出来事のようで。これを宿題のレポートとして読めた教師がうらやましい。

まあ、出版されるにあたって、たぶん編集者から直しの指示が入っているだろうから、レポートの文章はもう少し荒削りだったのかもしれないけれども。でも、誰の手も入っていない原文も読んでみたい気がする。その意味でも、教師うらやましすぎ(笑)。

そんな次第で、いっぺんで『見知らぬわが町』が気に入ってしまった私は、できればもう少し状態の良いものを入手したいと思っていたわけです。ヤケとか傷とかは古本だからしょうがないけど(自分で所持していても経年劣化はするし)、折り目と蛍光ペンのアンダーラインはイヤなんだもん。まさか、新品で入手できるとは思わなかったよ! それも最後の1冊!

それにしても、著者の中川雅子さんって、今は何をしてるんだろう? これだけ文章が書ける人だから、もしかして物書きになってたりするんだろうか。でなかったら、研究者とか。もしも小説家になってたなら、彼女の本、読んでみたいなあ……。 


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