熱、下がりました
どうやらインフルエンザではなく、やっぱりフツーの風邪だったようで。ビタミンCと液体カコナールと睡眠。コレで今回も乗り切りました。
ホントは今日、某所で集まりがあったんだけど、キャンセルしちゃったんだよね。うー。もったいないことした。でも、この時期、鼻ぐすぐすやってる参加者って大ヒンシュクだろうし。たとえフツーの風邪であっても、キモチ的に。
で、寝込んでる間に、『フランバーズ屋敷の人々』(K.M.ペイトン著・岩波少年文庫・現在絶版)全5巻読了。
これは少し前に日経の夕刊で紹介されてたもので、子供よりもむしろ大人が楽しめる大河小説、というふれこみだったので、ネットで即買いしたもの。
この手の小説って好きなんですよ。『風と共に去りぬ』とか『チボー家の人々』とか『ソーン・バーズ』とか。大家族と駆け落ちと戦争の三点セット。そんなに長くないし、駆け落ちも出てこないけど、赤毛のアンシリーズの最終巻『アンの娘リラ』なんかも、よく似た系統の話として好き。
で、『フランバーズ屋敷の人々』ですが、舞台はイギリス。主人公は12歳(1巻冒頭の時点で)の孤児クリスチナ。彼女が引き取られたフランバーズ屋敷には、マークとウィルという従兄弟がいて、お約束の三角関係の後に片方と駆け落ちして……という話です。んでもって、絡んでくるのが第一次世界大戦。『キャンディ・キャンディ』と同じ時代、同じ国ですな。
駆け落ちした相手が死んじゃって、子供を抱えたヒロインが大奮闘して再婚、というお約束どおりの展開で進むのは、3巻まで。というか、これって最初は3巻で完結してたらしい。で、4・5巻はその後日談。
この後日談がスゴイんですよ。子供向けの本でここまで書くか!?みたいな内容。何より、子供(少なくともイギリス人以外の)には、クリスチナの最終的な選択の理由が理解できんと思う。いや、私だったら二十代前半までは理解できんかったね、たぶん。
というのも、当時のイギリスがもんのすごい階級社会で(今も、かもしれませんが)、その壁を越えることがどれほどの困難を伴うか、という知識がこの話を読み解くには必須条件なんですわ。でないと、クリスチナがすげーイヤな女に見えてしまう。
お金を積んでも入っていけない場所があるって、お金さえあれば学生でもグリーン車に乗れる環境にいるとピンとこないんだよね。
この辺の「階級の壁」がイギリスの小説なんだなーと思いました。『風と共に去りぬ』(アメリカ)にも要素としては出てきたけれども、そういう枠組みが南北戦争によって壊されていく話だったし。『ソーン・バーズ』(オーストラリア)にもちらっと出てはきたけれど、階級の壁よりもむしろ宗教的な壁がメインだったし。
夕刊にも書いてあったけど、このシリーズが絶版というのが本当にもったいない。子供向けじゃなくて、大人向けに復刊してくれないかなあ。子供向けの5巻分だから、ハードカバーにすれば上下巻くらい?
ちなみに、「オーストラリア版風と共に去りぬ」と言われた『ソーン・バーズ』全3巻(コリーン・マッカラ著・講談社文庫)も絶版。こっちも復刊して欲しいなー。復刊ドットコムにリクエスト出そうかしらん。
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