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2014年1月30日 (木)

『ゼロ・グラビティ』(ネタバレ有り)

ツイッターにもさんざん書いたんですが、いろんな意味で衝撃的な映画だったので、こっちにも。

思いっきりネタバレしてます。まだ見てない方は、ここから先は読まないでください。ホント、すでに見た人限定でお願いします。

というのも、私自身が初めて後悔したんですよ。今までネタバレなんて全然気にしなかったのに。しかも、つい昨日、「本当に面白いものはネタバレしたって面白いに決まってるじゃないですか。だから気にしません」なんて言ったばかりくせに。その舌の根も乾かぬうちに。もう昨日の自分をボコボコにしてやりたいキモチでいっぱいでした。ええ。

というわけで、ネタバレしますからね。

映画見てない人はゼッタイ読まないでくださいね。

もっぺん念を押しますからね。

ネタバレありますからね。




これくらい、改行しとけば大丈夫かなあ。



もしかしたら、すでに見た人は「なんでネタバレ気にすんの? あれって、ストーリーらしいストーリーってないじゃん」と首を傾げてらっしゃるかもしれません。確かに、「宇宙空間でいきなりアクシデント発生して、めっちゃ危機的状況に陥ったけど、がんばって地球に帰る話。以上終わり」なんですよね。それだけ。それしか起きない。

たったそれだけの話なんだけど、私には死ぬほど怖かったんです、この映画。

開始直後に船外作業のシーンがあるんですが、それを見た瞬間、「もう逃げたい。この場から脱出したい」と思いました。てか、3D、それもIMAX、さらにド真ん中の席とか何なのコレ、何のプレイですかと激しく後悔しました。

私、子供の頃からSF大好きだったんです。小説も漫画もアニメも。だから、宇宙空間でアクシデントが発生して危機的状況とか、イヤってほど見慣れてたんですよね。だから、映画見る前にストーリーを聞いても「ああ、あれね。ふーん」ってなもんでした。

それまで、私にとって「宇宙空間」ってイコール「仮想空間」だったんですよ。「限りなく真空に近くて、無重力で、近くに恒星がなければ真っ暗」という知識はありましたが、それってゲームのステージに関する情報を知ってるようなもので。だから、そこで何が起きても別に怖くはなかった。ちょっとハラハラすることはあっても、恐怖は感じなかったんです。仮想空間だから。

ところがですね、この映画の冒頭を見た瞬間、「要するに宇宙空間って、ものすごーく高い場所なんだ。飛行機みたいに全然地面とつながっていないんだ」と気づいたわけです。3Dだから、高さとかグルグル回る感じとか、いろんなものがすごくリアルで。それまでの「仮想空間」から、「実感に近い状態で想像可能な空間」に変化したんです。私の中でイッキに。

その瞬間、本当に音を立てて血の気が引きましたね。ライアンと一緒になって過呼吸になるんじゃないかと。いや、それくらい恐怖でした。今すぐ席を立ってしまいたいと思ったのですが、何しろド真ん中の席です。前後左右ぎっしり他のお客さん。ここで立つとか大顰蹙です。

逃げたいのに逃げられない。恐怖感3割増し! 開始後2分で涙目です。

そんな私に追い打ちをかけたのが、前日に聞いたばかりの、すでにこの映画を見た人からのこんな言葉でした。

「普通だったら回想シーンとかが間に入りますよね? でも、そういうの全然ないんですよ。余計なモノが一切ないんです」

回想シーンや地上でのシーンがないということは、つまり、延々90分間、宇宙空間でのアクシデント「だけ」を見続けなければならないということ。

残り80分以上、コレが続くのか! ウソやろー! お願いですやめてくださいマジやめて……。

ってな感じで、絶望的なキモチになりました。知らないほうがシアワセだった。ネタバレ平気とかドヤ顔で言い放った自分を絞め殺してやりたくなりました。

しかも、これって映画なんですよね。観客をドキドキハラハラさせるために作られてるんですよね。あからさまにトラップ仕掛けてあるのが見えるんですよね。「ああ、これって後で絡まったりするんだよな」「ここで火災が発生するんだな」「この一撃で動力系統死ぬな」とか。いつ来るの?もうすぐ?ほら来たー!みたいな。

フツーのヒトなら「ドキドキ」くらいで済むんでしょうけど、私は筋金入りの飛行機嫌いで高所恐怖症。ついでにたった今「宇宙空間恐怖症」にもなったばかり。全身の毛穴から汗が噴き出しましたね。手のひらとか、真夏かっていうくらいびっしょり。

ラストシーンでは、たぶん、へらへら笑ってたと思います。もうこれで終わり、もう見なくていい、もう怖くない、と思うと心の底からホッとして。

……大袈裟だとお思いかもしれませんが、場内が明るくなって、立ち上がった瞬間、膝がガクッと折れたんですよ。マジで。ヨロヨロしながら座れる場所を探しました。てか、そこまで怖かったという事実に改めて気づいて愕然としました。いや、怖かったけど、ほんとに。

というわけで、『ゼロ・グラビティ』から得た教訓。

1・宇宙空間は究極の「高い場所」、つまり超コワイ。
2・ネタバレは良くない。

この2点でありました。たった2コだけど、私的には大きな教訓でありましたよ。この先、宇宙空間を舞台にした映画を3Dで見るときには用心しようと思います。

あ、それと、邦題に「ゼロ」がくっついてるのが余分だ、原題のまま「グラビティ」で良かったじゃないか、というコメントをあちこちで見かけたんですが。

しかし! 私は声を大にして言いたい! 「ゼロ」大事! 「ゼロ」が怖いんだから! 「ゼロ」つけたの大正解! むしろ、「ゼロ」の部分は赤字にするとかアンダーラインとかフォント大きくするとか強調していい!

……なんてコト言うのは少数派なんだろうなぁ。

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